2009年08月14日

メメントモリ


8月始めは母の命日でした

その命日は大切な方の誕生日でした

これも ご縁ですね

久しぶりに

藤原新也の「メメントモリ」を読みました

メメントモリ=死を想え

「人は産まれた瞬間から誰もが死を約束している

死をデザインすることは
生をいかに生きていくかを真剣に考えることだ


と 某有名美術大学の先生が 私に言った言葉です」

20代の時に ひょんな事からその先生に知り合って バイクでいろんな旅をしました


俺は話しだしたら6時間は喋り続ける

聞いてくれるか恭子ちゃんと云われ

デザイン事務所も経営していた人だったので

その後 十数年間 私はその先生のオフィスで話し相手になりました

和歌山に引越ししてからも遊びに来てくれましたが
数年前 消息知れずになり逢うことが出来なくなりました

生きているのかどうかもわからぬまま

波瀾万丈な人生を生き抜いていたなぁって

あの尋常ではない感性の鋭さが

藤原新也とダブリます



一番 強烈な先生の話しの中で

「俺は中卒だ!」

俺の夢は学校の先生になることだった

小さい時から言い続けてきた夢だった

親父が戦死して 貧乏だったから、お袋に 進学したいとは言えなかったが

中卒で働き始めた時も俺は夢を語った


ところがだ

何を馬鹿な事を言ってるんだ

大学にいかなければ

小学校も中学校も高校も先生にはなれないんだぞって

夢を木っ端みじんに打ち砕かれたんだ

そんなことも知らずに

学校の先生になりたいなんて

吐き捨てるように言われて 俺は本気で驚き 語らなくなった

それがある日のこと 小学校の時の恩師が訪ねてきて

君は学校の先生になりたいと言っていた夢は まだ諦めていないかね

君が唯一 学校の先生になりたいなら

大学の先生を目指しなさい

学歴や資格ではなく
大学側で人を選ぶから

と そのことを伝えに立ち寄ってくれたそうです

それからは また

ひたすら 熱く

俺は大学の先生になりたいと夢を語り続けたそうです

15才で働き始め
15年たった30才の時に

デザイン関係の事を極めていた先生に

大学側から 声がかかり

ついに 本当に教壇に立ったのでした



夢を実現させるエネルギー

何十年でも 言い続けるパワー

常識や既成概念に捕われていたら

想像できない発想

とてつもなく

たくさんの学びがあり


『生きる』を
真剣に問われました
  


Posted by 恭子 at 23:11Comments(2)